右手前と左手前とは?それぞれの有利不利

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競馬で、「右手前」「左手前」「手前を変える」と言いますが、どういう意味なのでしょうか?

競馬を見ていると、「ここで手前を変えましたね」とか「ずっと右手前で走ってますからね」といった話を聞くと思います。

ただ、競馬を始めたばかりの頃は手前の意味すら分かりません。

意味がわかったとしても、レースを見ていても馬の脚の回転が速すぎて、今どっちで走っているのかわからないこともあります。

この記事を読めば、右手前と左手前の正しい理解、さらに競馬番組で「右手前で走るから左回りの方がいい」と言っていった意味も理解できるようになります。

右手前と左手前

右手前、左手前とは、競走馬が走る時の足の運びのことです。

馬が走る時は2つのパターンがあります。

4本の脚をつく順番が

①左後ろ②右後ろ③左前④右前の右手前と呼ばれる走り方と、

①右後ろ②左後ろ③右前④左前の左手前と呼ばれる走り方です。

最後に地面につく足が右前なら右手前、左前なら左手前と呼ばれています

よくわかる手前の見方を解説してくれている動画があります。

【シリーズ手前脚】よくわかる手前脚の見方・解説【1/3】

手前を変えるとは?

次の動画は、オレンジ帽子⑮エイシンフラッシュがゴール前で左手前から右手前に変えている(動画12秒時点)のが分かります。

0.25倍速~0.75倍速で見ると、より分かりやすいです。

競馬で「手前を変える」瞬間の動画 12秒前後に注目

競馬では、右回りコースでは右手前で走り、直線は騎手の合図とともに左手前に変えるのが一般的です

反対に左回りコース(東京、新潟、中京)では、左手前で走り直線は右手前に変えるのが一般的です

なぜこのように訓練するかというと、人間も同じ方の足でジャンプしたりケンケンしたら疲れますよね?

それと同じで、疲れを分散させるためにコーナーと最後の直線で使い分けられた方がいいんです。

【右回りコース】

コーナー⇒右手前

直線⇒左手前

【左回りコース】

コーナー⇒左手前

直線⇒右手前

ディープインパクトの場合

ディープインパクトは右手前が得意だったと言われています。

ディープインパクトは、国内で13戦12勝と右回りも左回りでも圧倒的な力を示しました。

しかし、唯一2着に負けた有馬記念は右回りのコースです。

圧倒的な脚力があるディープインパクトでさえ、右手前でコースを周回し、左手前になる直線では先行したハーツクライをとらえきれませんでした。

ディープインパクトの場合は実績だけを見れば、右回りのGⅠ6勝、左回りのGⅠ2勝と、直線が左手前になる右回りを極端に苦手としていたわけではありません。

東京専用機と揶揄やゆされたウォッカは、GⅠ7勝中6勝という実績から推測するのであれば、右手前が得意な馬と言えるでしょう。

アーモンドアイも同じように、一部では東京専用機という声もあったようにGⅠ9勝中7勝が左回りです。

道中、どちらかというと不得意な左手前で走る、左回りのコースで成績を残す実績馬は、直線右手前に変えると爆発的な末脚を発揮する馬が多い傾向にあると考えられます。

スワーヴリチャードの場合

調教師さんもおっしゃっていたほど、右手前で走るのが好きな馬にスワーヴリチャードがいます。

引退までにGⅠを2勝しました。

その内訳が、ジャパンカップ(左回り)と大阪杯(右回り)です。

上記で説明したように普通、右回りではコーナーは右手前、直線を左手前で走ります。

しかし、このスワーヴリチャードは右手前で走るのが好きすぎて最後の直線も右手前のまま走ってしまうのです。

右手前が好きな馬は、トップスピードになる最後の直線で、右手前が使える左回りのコースの方が得意になる傾向にあります

普通、右回りコースを右手前ばかりで走ると直線でバテてしまったり、スピードが落ちて左手前に変えた馬に抜かされることになります。

では、なぜスワーヴリチャードは右回りの不安がささやかれる中、大阪杯を勝てたのか?

理由は2つあると言われています。

・鞍上のデムーロ騎手の「右手前が好き」を活かしたファインプレー

・直線で手前を変えて「左手前」で走れていた

右手前が好きなので右回り自体は上手なんです。

その特性を活かし、早めに上がっていって4コーナー先頭に立つという競馬でした。

そして、最後の直線はしっかりと左手前に変えて伸びています。

最後の最後、また右手前に変えてスピードが落ちたのか、詰め寄られていますが(笑)

右手前が好きすぎるんでしょうね。

実際のレース映像は下記から見れます。

2018年 大阪杯(GⅠ) | 第62回 | JRA公式

オグリキャップも武豊騎手が「右手前で走るのが好きだった」と語っています。

オグリキャップは手前を変えるのが苦手だったと言われていました。

オグリは終わった」と言われてからも、武豊騎手はオグリキャップを左手前で走らせることが出来たら巻き返すことは可能だと考えていました。

しかし、調教で何度教えようとしても、左手前では走ってくれなかったそうです。

そして向かえた引退レースの有馬記念では、なんと左手前に替えて自ら引退の花道を飾りました。

【オグリキャップ】覚えておきたい感動のラストラン/90年有馬記念

まとめ

ここまで右手前と左手前について解説してきました。

右手前と左手前

4本の脚をつく順番が

①左後ろ②右後ろ③左前④右前の右手前と呼ばれる走り方⇒右手前

①右後ろ②左後ろ③右前④左前の左手前と呼ばれる走り方⇒左手前

最後に地面につく足が右前なら右手前、左前なら左手前と呼ばれています。

一般的には

【右回りコース】

コーナー⇒右手前

直線⇒左手前

【左回りコース】

コーナー⇒左手前

直線⇒右手前

右手前が好きな馬は、トップスピードになる最後の直線で、右手前が使える左回りのコースの方が得意になる傾向にあります。

左手前が好きな馬はその逆の傾向に。

手前を変えることが苦手な馬は、右手前なら右回り、左手前なら左回りの方が成績が良くなります。

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