栗東坂路のタイムと馬券は直結しないってホント?

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坂路調教ですが、この馬は好調だ!というタイムはどのくらいですか?

栗東坂路で好タイムをマーク=好調

これは間違ってはいません。

好タイムが出るということは、スピード能力が高いことの証明です。

しかし、「馬券に直結するか」というと、それはまた別の話になります。

あなたは馬券を買う時、何を軸にして買っていますか?

・調教

・新聞の◎○▲マークの多さ

・実績

・騎手

・ローテーション

栗東所属の馬がレースに出走する時、最終追切としてよく使われる坂路ですが、タイムだけを鵜呑うのみにすると、大事なお金を飲み込まれることになるかもしれません。

これは美浦の坂路や他の調教でも言えることです。

栗東坂路の調教タイムの良し悪しとレース結果が比例しない理由

栗東坂路の調教タイムの良し悪しとレース結果が比例しない理由は2つ考えられます。

レースは0→1スタートだが、栗東坂路は助走→調教タイム計測区間でタイムを計る点

栗東坂路はほぼ直線なのに対し、レースはコーナーやペース・流れが存在する点

調教と実際のレースは違います。

これが練習と試合との違いです。

野球でも、練習でピッチングマシンの球をガンガン打ち返せるからといって、試合でピッチャーの球を打てるとは限りません。

練習で打てないのに試合で打てるということはあり得ませんが、練習で出来ることを試合で発揮できるとも限らないということを忘れてはいけません。

部活をしていた経験があると、この辺はなんとなく感覚的に理解できるのではないでしょうか。

ちなみに、競馬のレースはゲートで止まった状態からスタートするのに対し、調教はタイムを計る場所に差し掛かるまでに助走があります。

画像引用元:栗東トレーニングセンター・施設ガイド/JRA

「たった70mじゃん!」と思うかもしれません。

しかし、これまた野球で例えると、野球選手は50mや100mのタイムが速くても、盗塁がバンバン出来るわけではありません。

野球のベース間の距離は、約27mです。

なので大事なのは、50mが速いことよりも0→27mが速いことです。

だから極端な話、野球では27m地点までが一番早い選手が足が速い選手になります。

さらに野球では、二塁打や三塁打を打った時は足の速さと同時に、ベースランニングの技術が高い方がいち早く二塁ベースや三塁ベースに到達します。

いくら直線の50mや100mが速くても、ベースを回る時に毎回スピードダウンしていると、全体としてロスが発生します。

だから、テレビの企画で陸上選手VSプロ野球選手のベース1周対決で、50mや100mのタイムで勝る陸上選手が負けてしまうことがあります。

競馬でも同じことが言えて、坂路はほぼ直線です。

しかし、レースは新潟1000直のような特殊条件もありますが、ほとんどの場合コーナーが2つとか4つあります。

だからいくら直線のスピードが速くてもレースになるとダメな馬も出てきてしまうのはこのためです。

カーレースなども同じような理屈で考えられますね。

コーナーでスピードが落ちるとか、スタートが遅い、トップスピードに乗るまで時間がかかる、他の馬を怖がるなどの条件が重なると、いくら調教時計が良くてもレースで結果が出せなかったりします。

栗東坂路を49.9秒という破格のタイムを出した2歳グットディールの場合

2021年5月6日には2歳馬グットディールが栗東坂路で49.9秒という破格のタイムをたたき出し話題になりました。

札幌芝1200mでデビューし、単勝1.5倍の支持を受けましたが結果は4着。

「猛時計」として話題になった追い切りの、栗東坂路での調教の全体時計は49.9-37.0-24.9-12.9でした。

Fハロン(200m)ごとのラップとしては、12.9-12.1-12.0-12.9と全体が速い分、ラストは12.9と時計がかかっています。

栗東坂路51.1-37.4-24.5-12.3で菊花賞3着に好走したエアスピネル

2016年の菊花賞で6番人気ながら3着に好走したエアスピネルという馬をご存じですか?

1着・・・サトノダイヤモンド(2016年有馬記念1着)

2着・・・レインボーライン(2018年天皇賞春1着)

3着・・・エアスピネル

4着・・・ディーマジェスティ(2016年皐月賞1着)

5着・・・ミッキーロケット(2018年宝塚記念1着)

2016年の菊花賞の1~5着は上記の通りです。

エアスピネル自身は、後に2017年の京都金杯(GⅢ)と富士ステークス(GⅢ)を制しています。

他の馬には成績で見劣りするものの、2歳時にはデイリー杯2歳ステークス(GⅡ)も制しています。

エアスピネルのこの時の最終追い切りでの栗東坂路のタイムは、51.1-37.4-24.5-12.3です。

1Fごとに見ていくと、13.7-12.9-12.2-12.3です。

全体のタイムとしては先ほどのグットディールの方が速いですが、ラスト1Fはグットディールが0.9秒遅くなっていたのに対し、エアスピネルは0.1しか落ちていません。

理想は加速ラップ」と言われています。

加速ラップ→ゴールに向かって段々速いラップで走ること

想像してみて下さい。

ずっと続く上り坂を加速ラップで走る凄さを。

どこかで息切れして失速してもおかしくないと思いませんか?

グットディールとエアスピネルの例を比べてみてわかる通り、理想は加速ラップです。

エアスピネルもラスト1Fが前の1Fより0.1遅いとは言え、失速というレベルではないと言えます。

0.1の差は、むしろスピードを保ったままゴールしたと考えるのが妥当なのではないでしょうか。

栗東坂路の場合、全体のタイムが52~53秒台で、さらに加速ラップの馬はチェックしておいた方が良さそうですね。

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栗東坂路のタイムは参考程度に見るのが吉

栗東坂路の調教タイムは、数字にとらわれ過ぎず参考程度にとどめておくことをおすすめします。

というのも、実際のレースでも芝・ダートともに良馬場と不良馬場でタイムに影響が出るのと同じで、調教コースも天候や湿度、ウッドチップの入れ替えなどの要因によって調教タイム変わってくるからです。

それに競馬場のダートレースのように1レース終わったからといって、整備されるわけでもないのでどのような順番で走ったかも加味しなければいけません。

朝一番(AM6時)と8時9時では、気温も違うでしょう。

それとともに馬場状態は刻々と変化しているのでタイムの数字だけを鵜呑みにすることは非常に危険なんです。

それに調教師の特性によって、調教のクセがあります。

坂路でガンガンタイムを出す調教師もいれば、レース前は調整程度に控えめにする調教師の方もいます。

全体としては馬なりだけど、ゴール前200mだけ強めに追うなど調教のバリエーションも様々で、何を調教の目的によっては、タイムをさほど重要視していない場合もあるわけです。

坂路以外の芝・CWコースなどの調教では、追えば追うほど調教タイムが出てしまうという側面もあります。

そんなわけで、栗東坂路の調教タイムだけ●●を信頼しすぎると、馬券で痛い目にあうことも考えられるので、参考程度にとどめておいた方がいいでしょう。

ただ、「タイムが速い=走る能力が高い」ことには違いありませんので、オッズ的に軽視されているなら、能力は高いのに過小評価されているということなので、おいしい馬券にありつける可能性も高くなります。

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